キミが大好きだから〜陽菜へ〜
時々、小畑さんがカメラのシャッターを切る音が部屋に響く。
「それでは、最後の質問です」
そこで、なぜかハルコさんが、私の手の上にさっと自分の手を重ねて・・・
ん?
録音はしなくていい、ってこと?
カチッとボタンの音がしたのを聞いて、ハルコさんが言葉を続けた。
「haruさんが今一番大切にしていることを教えて下さい」
その質問にハルトは少し上を向いて軽く息を吐き出してから、
今度は私の顔をまっすぐに見て答えたんだ。
「俺が俺であるために、絶対必要な人だとわかったから」
え?ハルト、質問に答えてない。
私に、言ってる?
戸惑う気持ちは、でも、彼のまっすぐな視線にかき消されて、
私は何も言えずにただ彼の眼を見つめていた。
彼は、静かに言った。
「陽菜・・・結婚しよう・・・・・今度こそ」