キミが大好きだから〜陽菜へ〜
それからどうやって部屋に戻ったんだろう。
ただ、いやにのろのろとした時間が過ぎていく感覚だけは覚えている。
さっきまでのことがまるで夢の中だったようにさえ思える。
いや…
本当になかったことにしてしまえばいい。
けど。
キッチンにきちんと洗ってある鍋や、
すこしずつ片付けられている雑誌。
それらが俺に痛い現実を押し付けてくる。
俺は、彼女が好きなんだ。
こんなに人を恋しいと思う気持ち。
今まで知らなかった。
会いたくて会いたくてたまらない。
でも俺はカズマも好きだ。
今ならまだ。。。
まだなかったことにできる、はず。