キミが大好きだから〜陽菜へ〜
社長にやっぱばれてたか。少し押さえてた方がいいか…。


カズマの父親は俺が『仕事』している事務所の社長だ。


怒るとあの歳にして結構こえーんだよな。


俺がある人を介してこの仕事をするようになってからお世話になってる。


カズマとはその頃からの付き合いだ。


顔はもちろん、中身も……悔しいからこれ以上は褒めたくないな…なんて。


なんにせよ、俺にとってはいい兄貴みたいなもんだ。

だけど…


時々、胸の奥でカズマを遠ざける俺もいるんだ。


仲のいい両親。


周りには常に人がいて。


爽やかに笑ってるカズマがこっちに手を振っても、素直に笑えない俺がいたりすることは、絶対に内緒だけど。


なんでも手に入るんだろ?

金も名声も女も…。
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