キミが大好きだから〜陽菜へ〜
ステージ上に出た俺を待ってたのは、どよめきと照らされるライトのまぶしさ。
そのせいでほとんど客席にいる人の顔が見えない。
「キャー!!haru!!」
驚きのどよめきから、すこしずつ歓声のほうが多くなってきたころ、
俺の目が徐々にまぶしさにもなれてきたのか、
それとも、緊張が少しほぐれてきたせいなのか、
客席の前に立つ人の顔がなんとなく見えてきた。
そこでとまった俺の視線……
なんで。
なんでいるんだよ?
そこには俺が今一番会いたくなかった人…
会いたかった人…
彼女が立っていた。
戸惑いの感情とは裏腹に、反射的にほころびそうになる頬が、
隣にいる人物を見て固く引きつった。
カズマ……。
カズマは彼女の横に寄り添うように立っている。
そのうえ、彼女の肩にまわされた腕を見て、
俺はくらくらとめまいを覚えるようだった。
カズマ……っ!!