キミが大好きだから〜陽菜へ〜

横からスーツ男も声を出す。


「ヒカリはこの曲でモデルから歌手の仕事を多めにとっていくつもりです。だから大事な転換期の1曲になりますので、どうぞよろしくお願いします」



へぇ…モデル出身か。



改めて、というよりようやく初めてヒカリの方を見た俺にスーツ男は言葉を続ける。



「かわいいでしょう。この子のイメージぴったりのをひとつ、お願いしますよ」



スーツ男によれば、ヒカリはティーン雑誌で今人気のモデルらしい。



確かに細くてスタイルはいいかも。



スーツ男はここぞとばかり声をひそめて


「haruさん、どうですか?お近づきのしるしに今夜お食事でも」



は?


もしかして俺が即ヒカリに興味を持ったとでも?



ふざけんじゃねーぞ!


とにかく今日は…



「残念ですが、今日はちょっと先約がありまして……」



俺の声じゃないぞ。



今の、誰?



横を見ると紺野はしらっとした顔をして次は、、、とスーツ男の話題をそらしている。



紺野か?



お前!時々むかつくけど、やっぱ最高だぜ!!




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