キミが大好きだから〜陽菜へ〜
やたらと元気のいい声で陽菜を呼ぶ女。
あっ。
多分陽菜の友達?
いつも一緒にいる子だ。
ゼミコンのときも、俺をいぶかしげに見てたっけ。
飲み会があるらしく、陽菜を誘ってるその友達は全く俺の存在には気づいてないらしい。
まぁ、ね。。。
気づかれないように日々地味にしてるんだけど、
haruとして今売り出し中の俺。
大丈夫か?
なんて悠長なことは考えてられない。
目の前でコンパに誘われてる彼女をほっとける彼氏なんていないでしょ。
少なくとも絶対俺は無理。
陽菜も嫌がってるじゃねぇか。
ついムッとして俺が顔を上げると、
その友達と目が合って。
友達はやばっというような顔をして、決まり悪そうにじゃぁね、と言ってどこかへ行ってしまった。