キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「お前なー…こんな話二度も三度もあると思うか?」
「……」
「まだ時間はあるから、冷静に考えてみろ」
紺野。ごめん。
俺今離れたくないんだ。
日本から。
…あいつから。
しばらくしんとした中、再び紺野の携帯が着信を知らせてる。
紺野が携帯を耳にあて、席を離れた。
カズマが声をかける。
「もしかして…陽菜か?」
「ちげーよ。俺みたいなこんな新人がそんなでかいことできるか、って。そんだけ」
「お前の特に最近の音楽すごいよ。自信もっていいと……」
言いかけるカズマの言葉を遮ぎる俺の声。
「学祭。俺も楽しみにしてるから、よろしくな!」
何かいいたげな顔のカズマに俺はつぶやいて付け足した。
「……あいつには言わないで」