キミが大好きだから〜陽菜へ〜
なんで知ってるの?
陽菜は続ける。
「それは逃げてるだけじゃない?」
って。
俺は何も言葉が続かない。
彼女は扉を開けて出て行った。
なんでだよ。
俺はお前と一緒にいたいだけなのに。
陽菜はちがうのか?
俺が遠くに離れても大丈夫なの?
その前に、
この話を聞いたの、カズマからなんだろ?
そう思った瞬間、俺の中にまた小さな黒い染みが広がり始める。
カズマと会ってるんだよな。
幼なじみだし、同じ大学だし、そこにはもちろん俺以上に長い二人の歴史があるわけで…。
あー!くそっ!
何考えてるんだよ、俺。
俺はそのままバスルームに向かい、熱いシャワーを浴びた。