キミが大好きだから〜陽菜へ〜
シャワーを頭からかぶりながら、さっきのことを思い返す。
あいつ、泣いてた。
多分…
陽菜も寂しいはずなのに。
俺と離れることは寂しいはずなのに。
あいつ、泣いてたよな…。
なんで行っちゃやだ、って言わないんだよ。
私の近くにずっといてよ、って言わないんだよ。
私と仕事、どっちが大事とか……。
…あぁ、そうか。
だから俺お前のこと好きになったんだ。
シャワーの詮をしめ、俯くと、水滴が顔を濡らして行く。
俺はあることを思い出してバスルームを後にした。