キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「ゆぅさん、俺好きな女ができたんだ。今喧嘩しちゃって連絡も出来ないんだけどさ…そこまでして俺の仕事に一緒に向き合ってくれる女の子って初めてでさ…」
そよそよと風が花を揺らして通り過ぎて行く。
「初めてなんだ。待ってて欲しい、って。どこにも行かないで欲しい、って思える女の子」
ゆぅさんがそういえばいつも家族の話を嬉しそうにしてたことを思い出した。
いい加減またかよ、という顔の俺に、お前も好きな子ができたらわかる、って言ってたよな。
そういえば…
ゆぅさんの話で笑えたのが金魚の話。娘さんが金魚を洗面台に流しちゃって大泣きして、そっちのが大変だった、って昔話。
あ、やべ。
ゆぅさんの笑ってる顔思い出したら、なんか泣きそうかも。俺、今。