キミが大好きだから〜陽菜へ〜
それから俺らはしばらく眠ってたらしい。


気付くと、俺の腕から陽菜の姿はなかった。



陽菜?



ふと玄関からなにやら声がするのが聞こえた。



陽菜の声と誰か…女性?



「陽菜、誰かいんの?」


顔を出した俺を見て、声の主は目を白黒させてる。





一応、ズボンははいたぞ?


ま〜いいや。


「陽菜、シャワー貸して?」

「う、うん」


バスルームの扉を閉めると
「キャー!」


さっきの女の子の声がする。


あぁ、そっか。


鏡に写る自分の顔を見て納得。


haruね…。


あの子は、確か日下さん。

例の陽菜の友達だ。


シャワーを浴びながら、どんどん頭が覚醒していくのを感じる。


さぁ。


今日からまた忙しくなるぞ。


紺野、あいつ喜ぶだろうな。


脱衣所のタオルを手にとると、それがすげーふんわりしててしかもいい匂いで。


俺はふと、陽菜っていい奥さんになりそうだな、って本当にふと思ったんだ。



何考えてんだ、俺。


直後に顔赤くしてしまって自滅…。


しばらくだけ脱衣所から出られなかったんだ。実は。
< 92 / 412 >

この作品をシェア

pagetop