紺碧の地図
…なかなか炎が消えず、ゼンの呼吸が苦しそうなのがわかった。
私は唇を噛みしめて、ひたすら手を動かすことしか出来ない。
「ゼン…ゼンッ…」
ゼンの意識が途切れないように、私は何度もゼンに呼びかける。
私を見つめるゼンの瞳が、だんだん輝きを失い、虚ろになってくる。
―――いや。
嫌だよ、ゼン。
私たち、まだ出逢ってから数日しか経ってないのに。
名前だってちゃんと呼んでもらったことないし。
もっとたくさん、話だってしたいんだよ?
「死…なないで…」
ポタポタと、私の涙が地面を濡らす。
私の涙で、この炎が消えればいいのに。
「死なないで、ゼン―――!!」
叫んだって、何かが変わるわけじゃない。
ただ、叫ばずにはいられなくて。
―――でも。
私の気持ちが、通じたのかはわからない。