紺碧の地図

「…骨、何本か逝ったな…」


そのわりには…元気そうな気が。


「なっ…、さっきまでぐったりしてたのに!!」


「…そりゃあ、実際キツかったし」


ゼンが言うと、全然キツそうに聞こえないんだけど。


「…レキ、呼んできて」


「へ?」


「レキなら、この残骸どうにかしてくれるだろうから」


ゼンは、まだ自分の上に乗っかっているお店の残骸を、鬱陶しそうに眺めて言った。


その言葉に、ちくんと胸が痛む。



…あーあ。


結局私は、何の役にも立たなかった。


やっぱり、足手まといにしかならないのかな。



自分の無力さに嫌気がさして、そっと顔を伏せた。


そのとき、私の耳に届いた言葉。



「ありがとう、ララ」



―――ララ?



あまりにも突然で、私は驚いて顔を上げた。


そこには、やさしく笑っているゼンがいて。



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