紺碧の地図
◆◆◆
「出航―――!!」
レキの掛け声と共に、船は晴れやかな晴天の中、出航した。
…緑の街、フォーグ。
大半の緑は、炎で焼き尽くされてしまった。
でも、街の人たちの力があれば、すぐに復興出来るんじゃないかな。
出火の原因は、あの海賊たちだった。
酒場で会った、"ラー"。
その船長が、ゼンに負けた腹いせに、炎をつけたらしい。
街は全然関係ないのに、その卑劣な仕返しの仕方に、私はますます"ラー"が嫌いになった。
…でも、ゼンの代わりにレキがきつーいお灸を据えてたから、もう懲りたと思う。
ゼンはあのあと、レキや他の船員たちによって、救出された。
火傷はひどく、骨は何本も折れていて、意識があるのが不思議だってレキが言ってた。
「このくらい何ともない」とか、さらっと言い放ったゼンに、みんな驚き呆れた。