紺碧の地図
本人は大丈夫だと言い張っても、身体は重傷で。
ゼンの回復を待つ為、船は一旦フォーグの港に停泊することになった。
停泊中は、街の復興を手伝ったりして、時間を無駄にしないように過ごした。
…そして今日。
フォーグ停泊から五日目にして、Queen号は出航し、新たな地へと向かうことになった。
お見送りをしてくれた街の人たちの姿が見えなくなるまで、私たちは大きく手を振り続けた。
―――正午。
「………ゼン!?」
地図を広げ、みんなで次の行き先を確かめようとしたところに、ゼンがやって来た。
「ゼン、体は!?」
「大丈夫か?無理するなよ!」
ゼンは片手を挙げ、
「…おかげさまで、全快」
と答えると、歓声に包まれる部屋の中央で立ち止まった。