紺碧の地図
そのゼンの姿を、私はじーっと見つめる。
私の視線に気づいたゼンが、僅かに眉間にしわを寄せた。
「…何」
「…ゼン、本当に体大丈夫なの…?」
ゼンの頭のてっぺんから爪先まで、私は何度も視線を巡らせる。
だって、あんなに重傷だったんだよ?
それなのに、たった五日で治る?
「…なら、確かめる?」
「は?」
私のマヌケな返事を聞く前に、ゼンはいきなり服を脱ぎ始めた。
露わになったゼンの上半身を見て、私はうろたえる。
「なっ!? ちょっ、やだゼン!何!?」
そんな私に、レキが大爆笑しながら指摘した。
「あははは!! ララちゃん、ゼンの体よく見てみ!」
「よ、よく見てって…」
そこで私は、気づいた。
ゼンの体…傷跡が、何も残ってない。
あんなに広がっていた火傷の痕も、細かな切傷も。
跡形もなく…きれいに。