紺碧の地図
バカにしたようなニーナの言葉に、何かを考えていたゼンは、ふと顔を上げ、
「…それだ」
と呟いた。
―――ソレ?
「…おい、ゼン。まさかお前、俺に女装しろっつーんじゃ…」
口元をひきつらせるレキに、ゼンは真顔で頷いた。
「…お前になら出来る」
「ふざけんなぁッ!!」
「あははははっ!!」
ゼンの真剣な表情が可笑しいのか、本気で嫌がってるレキが可笑しいのか、ニーナが笑った。
けど他のみんなの間には、まさか俺たちも女装?みたいな空気が流れている。
「…いいか、レキ」
今にも暴れだしそうなレキをなだめるように、ゼンが口を開いた。
「俺たちは、世界中を回るんだ。飛ばしていい土地なんてない」
「…え。何、俺か!? 俺がいけないのか!?」
「そうよ、レキ!あたしとララだけじゃ少ないじゃない!」