紺碧の地図
◆禁断の花園『ティナ』
「ぎゃ―――!! 恥ずかしくて死ぬ!! ヤダ俺もう行かねー!!」
響き渡るのは、レキの叫び声。
「うるっさいわね!諦めなさい!もう立派な女の子よ!!」
それに負けじと声を張り上げるニーナ。
Queen号は一旦、ティナに近い離れ小島に船を停めた。
そこからニーナと私、女装したゼンとレキで、小舟に乗って入国することになった。
レキはふわふわで茶髪のロングウェーブのウィッグをかぶり、体型を誤魔化せるような、ゆとりのある服を身に纏った。
「こんな恥ずかしい格好じゃ…女の子に声かけらんねーじゃん…」
ぶつぶつと未だに文句を言うレキに、ニーナは鋭い視線を投げつける。
「あのね。言っとくけど、男だってバレるような言動は慎んでよね」
「わーかってるって」
「可愛い子見つけたからって、ホイホイ声かけんじゃないわよ」
「…わ、わーかってるって」
レキの目が少しだけ泳いだのは、気のせいじゃないはず。