紺碧の地図

幸い、私たちは万一のことを考えて、人通りの少ない道を敢えて選んだ。


だけど…


「ニ、ニーナ、レキ?もう少し声落と…」


「立派な女の子って言われたんだぞ!? 俺はかっこいい男の子って言われてーのにっ!!」


「しょうがないでしょ!! あんた女々しいんだから!!」


「めっ!? ふざけんなてめーっ!!」


私の声はまるで届いていないみたいで、二人は言い合いをやめない。


私は困り果てて、どこまでも冷静なゼンに助けを求めた。


「…ゼンッ」


「…はー…。ったく…」


ため息をついたゼンは、ツカツカと近づき、騒ぐ二人の間に入った。



「…いい加減にしろ」



その言葉に、二人は口をつぐんだ。


「俺たちは今、何のためにここにいるんだ?」


ゼンの問いが、静かに響く。


ゼンの鋭い視線から逃れるように、レキとニーナは唇をきつく結び、うつむいた。



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