紺碧の地図
◆◆◆
「…じゃあ、ロシュは…女装までして、三年間もティナで暮らしてるの?」
「…そーいうこと」
ゼンとぶつかった男の子―――ロシュ。
私たちが今いるのは、ロシュの家。
ロシュが淹れてくれた紅茶を口に運びながら、私は思ったことを口にした。
「………何で?」
女装して、自分を偽って、三年間も暮らすなんて。
絶対耐えられないよ。
途端に、ロシュは顔を真っ赤にした。
「おっ、俺の理由なんかどーでもいいだろ!つーか、お前らは何なんだよっ」
「え?私たちは…」
視線をゼンに向けると、ゼンは躊躇う様子もなく、口を開いた。
「俺たちは"ルナ"だ」
「ル!? …ってことは、海賊なわけ!?」
驚きのあまり、勢いよく立ち上がったロシュ。
そんなロシュを見て、レキは笑った。
「大丈夫だって。何もしねーよ」