紺碧の地図
すると、更に大きく目を見開いたロシュ。
「え!? まさかお前も男!?」
しまった、って顔をするレキに、呆れたような視線を送るニーナ。
ゼンは、もうどうにでもなれっていった感じで、冷静だった。
「…女の船員が二人しかいなかったから、俺たちがついてきた。それだけだ」
ロシュは「よく門番騙せたなぁ」とか感心してるけど、私にはロシュの方が凄いと思う。
「…ね、ロシュ」
私が遠慮がちに話しかけると、ロシュは私に視線を向けた。
「ん?何?」
「そこまでして、この国にいる理由って…何?」
さっきははぐらかされちゃったけど、やっぱり気になる。
「あ―――…」
ロシュは躊躇う素振りを見せてから、私たちを順に見た。
そして、ゆっくりと口を開く。
「…逢いたいんだ。レイル姫に」
レイル姫―――…?