紺碧の地図
◆月に誓う意志
「…ついてくんなよ」
「やだっ」
「…裸足じゃん」
「かっ、関係ないでしょっ!?」
かれこれ、十分ぐらい。
ゼンが海賊船へと向かうのを追いかけながら、こうして言い合っている。
言い合ってるっていうか、私がゼンに一方的に言われてる気がする。
「…あんた、どうするつもり?」
ため息をついて立ち止まったゼンは、私を見ずに訊ねた。
「あんたじゃなくて、ララ!私は、ゼンの船に乗せて貰いたいの」
私も立ち止まって、ゼンの後ろ姿を見据えて言った。
18歳の、誕生日。
私が待ちわびていた日。
人間の足を手に入れたら、海に出ようってずっと決めてた。
彼を…捜すために。
私が唇を噛み締めると、不意にゼンが振り返った。