紺碧の地図
◆"逢いたい"の意味
「わぁ…おっきーい」
レイル姫がいるお城を見上げ、私は思わず口を開いた。
それはもう、凄く立派なお城で。
迷子になりそう、とかどうでもいいことを考えてしまった。
堂々と、正面から侵入なんて出来るわけもなく。
お城の裏側に、私たちはいた。
「秘密の入口とかねーの?」
レキがきょろきょろと辺りを見渡してそう言うと、ロシュは「ない」ときっぱり答えた。
「実は、一回だけ忍び込もうとしたことがあるんだ。でも、無理だった」
肩を落とすロシュを見て、私はうーん、と唸った。
勢いであんなこと言っちゃったけど、やっぱり無理なのかな…。
「…何、諦めんの」
私の隣で、ゼンがそう呟く。
振り向くと、ゼンはお城を真っ直ぐに見据えていた。
「諦め…ない、よ」
無理とか、言っちゃダメだ。
やってみなきゃわかんないって、前に自分で言ったじゃない。