紺碧の地図

◆◆◆


「―――ゼン、ララ!!」


ニーナが私たちを見つけると、立ち上がって手を振った。


レキも顔を上げ、にやりと笑みを浮かべる。


「上手くいったみたいだな」


「うんっ!二人ともありがとう!」


私は二人がいた場所まで駆け寄ると、満面の笑みでお礼を言った。



私とゼンは、レイル姫のおかげで、誰にも見られることなくお城から脱出した。


別れるときに見た、ロシュとレイル姫の幸せそうな顔を…私は、きっと忘れない。


「…悪いな。待たせて」


「や?そんな待ってねぇって」


「もーっ、二人とも!言葉遣い気をつけてってば!」


レキとニーナとの待ち合わせ場所は、初めてロシュと出会った路地裏。


人通りは少ないとはいえ、普通に話すゼンとレキに、ニーナは注意を促した。



「あ、悪い」と謝るゼンに対し、ため息をつくレキ。


「…ったく、ずーっとこんな調子だぜ?」


ニーナはムッと口を尖らせた。



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