紺碧の地図

どこか人をバカにしたような声音から、フォーグで会った海賊を思い出した。


どうして"ラー"は…みんな同じようなんだろう。



卑劣で、自分が一番だと思い込んでる。


自分の利益の為に…何だってする。



私が無意識に唇を噛みしめるのと同時に、リジェが声を荒げた。


「お前らも確認しただろ!この船には、男しかいな…」


突然、鈍い音がし、それを追うように呻き声が聞こえた。


「ああ、確認したぜ?だが怪しいんだよ、お前ら」


「…っ、な、に…!?」


苦しそうなリジェの声で、リジェに何かがあったことがわかった。


靴音が、再び響き出す。


「ここはティナ付近。野郎だけだったら、近寄りたくなくなるはずだ」


隣で、ゼンの肩がピクリと反応した。


「…なのに、お前らは停泊してる。ってことは、だ。仲間の女が、ティナに観光に行ってんじゃねぇのか?」



< 158 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop