紺碧の地図
どこか人をバカにしたような声音から、フォーグで会った海賊を思い出した。
どうして"ラー"は…みんな同じようなんだろう。
卑劣で、自分が一番だと思い込んでる。
自分の利益の為に…何だってする。
私が無意識に唇を噛みしめるのと同時に、リジェが声を荒げた。
「お前らも確認しただろ!この船には、男しかいな…」
突然、鈍い音がし、それを追うように呻き声が聞こえた。
「ああ、確認したぜ?だが怪しいんだよ、お前ら」
「…っ、な、に…!?」
苦しそうなリジェの声で、リジェに何かがあったことがわかった。
靴音が、再び響き出す。
「ここはティナ付近。野郎だけだったら、近寄りたくなくなるはずだ」
隣で、ゼンの肩がピクリと反応した。
「…なのに、お前らは停泊してる。ってことは、だ。仲間の女が、ティナに観光に行ってんじゃねぇのか?」