紺碧の地図
「…ちょっとゼン、女の子引っ掛けてたの?やめてよ、レキじゃあるまいし」
「てめ、ニーナ!…にしても、可愛いな。タイプかも」
じろじろと眺められ、私は落ち着かなかった。
ゼンは、私を見ながら言葉を放った。
「…人魚だってさ」
その言葉はおそらく、ゼンの仲間に向けられた言葉。
船の上の二人は、驚きの声を上げた。
「人魚ぉ!?」
「うそ、本物?」
そんな仲間に返事をせず、ゼンは私の方へ歩いて来た。
私は何も出来ず、ただ向かってくるゼンを見つめるだけ。
私の目の前で立ち止まったゼンは、さっき受け取った剣を、私に差し出した。
「―――え?」
差し出された剣を見て、私は思わず声を上げた。
ゼンの仲間からも、驚きの声が上がったのが聞き取れた。