紺碧の地図
◆◆◆
幾度となく交わる剣。
そのたびに、静寂を突き破るように金属音が木霊する。
「…いい加減、諦めたら」
「いっ…、や!」
どっちが優勢かなんて、一目瞭然。
息が上がってきて、立っているのもやっとなくらい、疲れきっている私。
対して、疲れの欠片も見せず、冷静な表情を崩さないゼン。
―――わかってる。
ゼンは、全く本気なんて出してない。
私が勝てるはずないってわかってたから、こんな条件を出したんだよね。
「………っ」
それでも。
じゃあしょうがないや、って諦められないよ。
「!」
それは、一瞬の出来事。
急に姿が消えたと思ったら、目の前に現れたゼン。
私の手のひらに剣の柄の感触がなくなったのは、その直後。