紺碧の地図
◆夜空に咲く花
乱暴に扉が開かれ、数人の男の人が部屋に入ってきた。
「ちょっ、何…痛っ!」
ニーナの小さな悲鳴が、部屋に響く。
私とニーナは、すぐさま両手を後ろで縛られた。
腕を掴まれ、部屋の外に連れ出される。
「あ…」
部屋から出ると、ちょうど隣の扉からゼンが出てきた。
同じように、両手を縛られている。
すぐ近くの壁に寄りかかっていたイズラが、ゆっくりと背中を離した。
「間もなく、お待ちかねの闇市場が始まる」
イズラは得意の笑みを浮かべ、私たちに背を向けて歩き出した。
周りのイズラの仲間に促されながら、私たちもあとに続く。
階段を下り、渡り廊下に出た。
どうやら、他の建物とつながっているらしい。
それほど距離のない渡り廊下を抜けると、狭い通路が左右に続いていた。
「…こっちだ」
イズラが進む方向に、船員の一人が首を傾げた。