紺碧の地図

「あんたは、海賊を甘くみてる。俺たちはこの海賊旗に、命を懸けると誓ったんだ」


ゼンの真剣な瞳に、私は何も言うことが出来なかった。


「危険に陥ることは何度だってある。命を落とした仲間もいた。海賊は…"死"と隣り合わせで生きている」


ゼンは、自分の目の前で手のひらを強く握った。


私はその一挙一動を、黙って見ていることしか出来ない。


「自分の命は、自分で護るしかない。あんたが足手まといにならないって、誰が言える?」


…私が足手まといにならないなんて、胸を張って言えるわけがない。


迷惑をかけることなんて、わかりきってる。


―――それでも。


「私は…弱いけど。自分の身くらい護ってみせるよ」


ゆっくりと、私はゼンに向けて、それに…私自身に向けて言った。


「護ってなんて言わない。私が殺されそうでも、見捨てたって構わない」



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