紺碧の地図
◆砂漠の国『アルフィザ』
カン、カンと木槌を打ち鳴らす陽気な音が聞こえる。
私たち"ルナ"と、イズラ率いる"ラー"が協力して、闇市場の会場を直していた。
…ううん。
もう闇市場なんて呼ばせないって、イズラが言ってた。
ここは、行き場をなくした人たちが集まって、幸せに暮らせる場所にするんだって。
それは、一度闇を見てしまったイズラだから、考えられたこと。
その考えには、私たちも大賛成だった。
「いってぇ!指!指打ったっ!!」
「あーら、木槌は打つものを間違えなかったみたいね」
「………」
レキが大声を上げ、ニーナが皮肉を言い、ゼンが呆れ顔でため息をつく。
これがいつもの日常。
私の…大切な場所。
「なーにニヤニヤしてんだ?」
頭にタオルを巻いて、額の汗を腕で拭いながら、イズラがやって来た。
私は近くに汲んであった水を、口を尖らせながらイズラに渡した、