紺碧の地図
◆夢紡ぎの唄
「「ようこそ!Queen号へ!!」」
ゼンに続いて、船に乗り込んだ私を待っていたのは。
たくさんの…人。
「…はぁ…お前ら、見てたな」
横でため息をつくゼンに、一人の男の人が近寄った。
ふんわりとした柔らかい栗色の髪は、少し長めに伸ばされていて、同じ色の瞳は、愉しそうに細められている。
「ばーっちり見てたから!我らが船長の勇姿と…」
ゼンの背中をバシバシと叩きながら、その男の人はちらりと私を見た。
「…君の、勇姿をね」
風に靡くその髪の隙間から、銀色に輝くいくつものピアスが見えた。
「あ…えと…ありがとうございます」
どう答えればいいかわからず、取りあえずお礼を言ってみると、男の人はクスッと笑った。
「可愛いねー♪初々しい感じ。君、名前…」
にこにこと近づいて来るその人に、見事に蹴りをいれたのは…女の人。
軽く吹っ飛んだ男の人は、頭を抱えて起き上がる。