紺碧の地図
「………」
「…ま、アレだ。言葉と態度が本物ってときもあるな」
明らかに二人の様子にショックを受けているロイの肩に、レキが今度は優しく手を乗せた。
…レキ、目が。
目が憐れんでる。
そんなロイとレキに、ニーナは呆れたようにため息をついた。
「はぁ…それにしてもあの子、相当ゼンのこと気に入ってるわね」
ニーナの悪気ない言葉が、ロイに新たな傷を負わせたらしく、さらに落ち込んでしまった。
「どうせ…俺は…」
「…え?ちょっと!何落ち込んでんのよ!?」
慌てて慰めに入るニーナに苦笑しながら、私はゼンとアルザに視線を向けた。
楽しそうにはしゃぎながら操縦するアルザの隣で、真っ直ぐにその先を見据えているゼン。
その表情からは、私には何も読みとれない。
ゼンは私のことを何でもお見通しなのに、私はゼンのことを…何一つわかってないんじゃないかな?
…そう思うと、何か悔しかった。