紺碧の地図
◆寒空の下で
砂漠の国、アルフィザ。
アルザの操縦のおかげで、船は無事、予定よりも早くアルフィザに到着した。
「到っ着―――!」
んーっ、と大きく伸びをしながら、レキは晴れ渡る空を仰いだ。
ミュレを出発したのが夕刻で、アルフィザに着いた今はお昼時。
ミュレよりも何倍も強い日差しが、私たちに降り注ぐ。
「よし、さっそく入国するぞ!」
明るい声を響かせるのはアルザ。
さすが砂漠生まれだけあって、この厚さの中でもけろっとしている。
よし、と意気込んで歩き出そうとしたアルザの肩を、ロイが掴んだ。
「お待ち下さい、アルザ様」
「…何だ?」
アルザは不機嫌そうに振り返ると、ロイの腕を振り払った。
本当に、アルザはロイに冷たい。
何でだろう?
「貴女は、この国の王女です。護衛の少ない今、堂々と正面から入られては危険です」
真剣な表情で話すロイに、アルザはため息をついた。