紺碧の地図
「ゼンが…船長なんだね」
「へ?知らなかった?」
レキが驚いて訊いてきた言葉に、私は頷いた。
「だって、全然若いんだもん」
船長って、なんか黒ひげ生やして帽子かぶったおじさんーってイメージだったし。
そんな私に、レキは憐れみの視線を向けてきた。
「…ララちゃん。ゼンが船長って知らなくて、船乗せろって頼んでた?」
「?うん」
首を傾げて答える私に、レキはため息を吐く。
ゼンといい、レキといい…ため息つきすぎじゃない?
「ただの船員の判断で、船に乗せられるわけがないの、わかってた?」
「…そうなの?」
私は、初めて知ったことに眉をひそめた。
別にいいじゃない。
船に乗せるくらい…
私の考えを読み取ったのか、レキが頭を掻きながら、口を開いた。