紺碧の地図
「ひとまず、名乗ろう。オレはアランで、こっちが弟のシーザ」
アランの紹介で、髪の少し長い方…シーザが軽く頭を下げる。
やっぱり兄弟だったんだ、と頭の片隅で思いながら、私はふと疑問が浮かんだ。
「…あなたたちは何なの?敵?…味方?」
「味方だ」
私の問いかけに真っ先に答えたのは、アランでもシーザでもなかった。
「アルザ!」
よかった…無事だったんだ。
そう安心したのも束の間、アルザの右腕の包帯が目に入った。
「アルザ…腕どうしたの?」
「これは…」
「あ、それオレが斬ってあげた」
けろっとアランが放った言葉に、私は耳を疑った。
斬って…あげた?
「や、やっぱりアルザは死のうとしてたの?」
「まだ勘違いしてますケド。説明してあげたらどうです?」
シーザの呆れたような声に、アルザはため息をつく。
そして、面倒くさそうに私の前まで近づき、腰を下ろした。