紺碧の地図

「…簡単に言うとだな」


「…うん」


じっ、と私の瞳を真っ直ぐ見るアルザの真剣な表情から視線を逸らさず、私は次の言葉を待った。


けど。


アルザの口から放たれた言葉は、予想もしていなかったものだった。



「わたしたちは今、誘拐されている」



………、?


頭が追いついていかず、私は口をポカンと開けたままアルザを見る。


「………ゆ?」


「誘拐、だ。何度も言わせるな」


ふん、と鼻を鳴らすアルザ。


誘拐…私たちが?


「だ、誰に?」


「オレらにだよ」


アランが苦笑しながら、自分を、次にシーザを指差す。


…あれ?

さっき、アランとシーザは味方だって…。



大混乱中の私を見て、アルザは心底嫌そうな顔をした。


そして仕方ない、と言うように、再度口を開いた。



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