紺碧の地図
◆一歩踏み出す勇気
…思えば、いつも。
私の周りでは、何かとよくないことが起こった。
「ぐぁっ…」
そう、まさに今も。
「―――アラン!!」
アルザの金切り声が、木霊する。
アランは苦痛に顔を歪めたまま、その場に崩れ落ちた。
―――何が、起こったんだろう。
たった数分前、私たちは他愛ない会話をしていた。
突然、アジトの外が騒がしくなり、私たちはアルザの捜索に来た兵士たちかと思った。
アランが様子を見てくる、と言って扉に近づいた瞬間。
扉が吹き飛んだかと思うと、大勢の人が雪崩れ込み、そのうち一人の刃がアランの体を貫いた。
「―――っ、」
シーザがすぐに、腰の剣に手をかけた。
その表情は固く、唇はぎゅっと結ばれている。
ほんの一瞬の出来事。
でも、わかったことがある。