紺碧の地図
「心配しないで下さい、アルザ様」
そんなアルザに、ロイは優しい笑顔を返す。
「俺が、あなたを護ります」
次の瞬間、ロイの姿はアルザの隣からいなくなっていた。
「うぁっ」
「ぐっ…」
次々に上がる悲鳴で、ロイが盗賊たちを斬り伏せていく姿を捉えることができた。
あんなにたくさんいた盗賊たちも、あっという間に倒れていき、最後に残ったのは…
「く、そっ…!」
お頭のみとなった。
ぐっと唇を噛みしめるお頭に、ロイは冷ややかな視線を向けた。
「今すぐにここから立ち去れ。そうすれば、お前の命は助けてやる」
低い低い脅しを含んだその声は、ロイのものとは思えない。
「…そして、今後一切、アルザ様には近づかないと誓え」
ロイにここまでさせるのは…アルザ、あなたの力。
私は横目でアルザを見ると、アルザは真っ直ぐにロイを見つめていた。
それは、いつもの嫌そうな視線じゃない。