紺碧の地図
「貴様もとんだ馬鹿者だな、ララ。弱いくせにわたしを庇うなんて」
「!ば、馬鹿って…」
アルザの言葉に反論しかけた私は、途中で口をつぐんだ。
…あれ?
アルザ今、私の名前…。
「礼を言う。ありがとう」
お礼を言ったアルザは、何故か偉そうだったけど。
それでも十分、私の心には響いた。
「アルザ…」
「そうだ、ゼン。少し席を外してくれるか?」
私が感動していると、アルザがゼンに向かって言った。
「…わかった。廊下にいる」
ゼンはそう答えると、部屋を出た。
私はわけがわからず、アルザを見る。
「貴様に、弁解しておこうと思ってな」
「へ?弁解?」
アルザは楽しそうに、「そうだ」と言って頷いた。
「誤解してそうだから言うが、わたしはゼンのことを、何とも思ってないぞ」
「………え?」