紺碧の地図
「今回の計画には、どうしてもロイより強い者の力が必要だったからな」
ポカンとする私を気にもせず、アルザが続ける。
「どうしても、ゼンを逃すわけにはいかなかったんだ。だから…」
「ちょ、ちょっと待ってアルザ!」
私が制止の声をかけると、アルザが眉をひそめた。
「何だ?信用できないのか?」
「や、違っ…。何でそれを、私に?」
そう訊ねると、アルザは目を見開き、驚きの声を上げた。
「…何でって…。貴様、ゼンが好きなんだろう?」
アルザのその言葉が、全身に駆け巡るのがわかった。
徐々に速まる鼓動を、私は必死に抑えつける。
「や、やだな…アルザ。何でそうなるの?」
「………」
アルザは私を見つめると、何かに諦めたように、ため息をつく。
「…まぁ、いい。とりあえずゼンに礼を言って来た方がいいぞ」
「え…?」