紺碧の地図

「…つーかララちゃん、本当に厄介事に巻き込まれやすいよなぁ」


壁にぶつけた所がまだ痛むのか、レキが頭をさすりながら言った。


その通りのことを言われた私は、苦笑するしかない。


「んー…あはは」


「笑ってる場合じゃないわよ、ララ。今回は命が危なかったじゃない」


コツン、とニーナに額を拳で叩かれる。


怒ったような表情だったけど、心配してくれてるってわかるから、嬉しくなった。



…今、ここでこうして笑っていられることは、幸運なのかもしれない。


あのとき、確かに私の命は危なかったから。


私が今ここにいれるのは…ゼンのおかげなんだ。



「ララーッ!!」


遠くから名前を呼ばれ振り返ると、徐々に近づいてくる人影が見えた。


アルザ、ロイ…そして、ゼン。


ゼンの顔を見ただけで、心臓が大きな音を立てて跳ねる。


私は誰にも気づかれないように、自分の服の裾をきゅっと握った。



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