紺碧の地図
アルザは私のもとへ駆け寄ると、小さな手を差し出した。
「ほれ!」
「ほれ、って…え?」
握られたアルザの手は、私に何かを差し出そうとしているようで。
私はわけもわからず、片手をアルザの手の下に添えた。
…すると。
「え…?」
チャリ、と小さな金属音と共に、手のひらに伝わる微かな重み。
私の手にあったのは、小さな青い玉のついたペンダントだった。
その透き通るような青い玉を見つめてから、私は顔を上げる。
「アルザ?これっ…」
「貴様にやる。礼だ」
アルザは満足そうな顔で「返品ナシだぞ」と言って笑った。
「…ありがとう…!」
私は素直に嬉しくて、早速ペンダントを首につけた。
ひんやりとした感触が、暑さに蝕まれていた体を和らげる。
「いいなー…高そう」
「何考えてんのあんたは」
レキの言葉にすかさず突っ込んだニーナに、みんなが笑う。