紺碧の地図

ねぇ、ロジー。


あなたと私は、ひとつの約束を交わした。



あなたは私を迎えに来ると。


私はあなたを待つと。


…月の光に包まれながら。



でもね、私は待つだけが嫌だったから、あの港町を飛び出したの。


あなたに、逢いたくて。



その気持ちは、今でも変わらない。


けど…私は、ロジーに逢ってどうしたいんだろう?


今、目を瞑って浮かぶのはゼンの顔ばかりで。


…ゼンと離れることが、何よりも怖く感じる。



私は…約束を守れているの?



「ララちゃん?」



響いたレキの声に、私はハッと現実に戻された。


眉をひそめたレキが、私の顔を覗き込む。


「…すげぇ顔してたけど。平気?」


「す、すごい顔?」


「そ。例えるとゼンみたいな」


ゼンみたいなって、一体どんな…


「…ゼンみたいな、思い詰めた表情」



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