紺碧の地図
「空の神、大地の神、海の神。まず大地にいるのが、あたしたち人間」
ニーナは中央に描かれた人物を指し、次に空を指した。
「空にいるのが、天空人。もう何百年も前に絶滅したとされてるけどね」
そしてニーナは海を指差し、私を見た。
「…そして海にいるのが人魚よ、ララ」
「………」
「それぞれ異なった場所には、異なった種族がいて。さらに、それぞれ一人ずつ神様がいるの」
ニーナの話を、私はぼんやりと聞いていた。
その人魚の神の、子?…私が?
「…子供っていっても、神から直接生まれるわけじゃないぜ」
私の疑問を感じ取ったのか、壁にもたれかかって腕を組んだまま、レキがそう言った。
「簡単に言えば、神に選ばれた、後継者候補。…神に愛された子だよ」
神に愛された子…。
そんなすぐに信じられる話じゃなくて、私は顔を伏せた。
だって…どうして私が?