紺碧の地図
「ゼン。私は…どうすればいいの?」
人魚の神の子だということが、真実なら。
私はこの先、どう生きていけばいいんだろう。
私の問いに、ゼンは一瞬躊躇うような素振りを見せたあと、口を開いた。
「…あんたが神の子だろうと、俺たちの仲間だということに変わりはない」
「ゼン…」
「…ただ、あんたの命の価値は、あんたが思ってる以上に高い」
真っ直ぐに見つめ返されて、心が揺らぐ。
「だから俺たちは…知る必要がある」
その次に紡ぎ出された言葉は、さらに私の心を揺らがした。
「あんたが船に乗りたがった、理由を」
"いつか"は、突然やってくる。
心の準備ができていない、一番無防備なときに、突然。
「………っ」
言葉が、詰まる。
そんな私を見て、ゼンは続けた。
「その理由次第じゃ…あんたをこのま、連れて行くことはできない」
「…え?」