紺碧の地図
◆絶望へのカウントダウン
・ゼンside・
ガラスの砕け散る音が、嫌に耳に響いた。
顔を上げると、鏡に映る疲れきった自分の姿。
その姿を見て、俺は苦笑した。
「―――は…情けない」
床には砕け散ったガラスの破片と、剥き出しになった木片。
子供じみた怒りのぶつけ方に、笑いたくなった。
自分でも、何に対して怒りを表しているのかわからない。
…いや。誰に、か。
レキなのか、あいつ…サンなのか。
―――それとも、俺自身なのか。
わからないからこそ、余計に苛立つ。
俺は片手で髪を乱暴に掻くと、近くの椅子に腰掛けた。
"―――お前が、海賊を続ける理由だよ"
目を瞑ると、脳裏に響くレキの言葉。
「―――っ…」
耳を塞ぐ代わりに、唇を強く噛みしめた。