紺碧の地図

掴んだはずの光が、消えてしまう。


闇に取り残されるあの感覚は、恐怖でしかない。


そんな想いは、もう二度としたくない。


「…レキの言う通りだ。逃げてるんだ、俺」


は、と乾いた笑いを漏らす俺を、ララは何も言わずに見ていた。


…いらないんだ。


心配も、同情も、全部。


ただ欲しいのは、強さだけ。


「―――じゃあ私は、追いかけるよ」


………?


そう言ったララの表情は、心配でも、同情でもなかった。


「ゼンが闇に囚われてるなら、私が照らす。それでも逃げるなら、どこだって追いかける」


逸らすことなんか、できない。


強く輝く光を、ララに感じた。


「何度だって、手を伸ばすよ。その手を掴んでくれたなら、私は絶対に離さない」


…絶対に。


最後にもう一度、そう付け加えたララに、胸の奥が熱くなる。



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