紺碧の地図

出逢った時から、そうだった。


ララは真っ直ぐに俺を見る。


…けど、それがどこか嬉しくて。



ララが人魚の神の子だと分かっても、心の奥底では、ララを離す気なんかなかった。


俺は知らないうちに、ララに光を求めていたんだ。


「………」


もう光を求めないと強く誓っていた自分が馬鹿に思えて、俺は苦笑した。


そんな俺を見て、ララは不思議そうに首を傾げる。



光なら、初めからすぐ傍にあったのに。


目隠しをして、それを護ろうとしていなかったのは、他の誰でもない、俺自身。


失いたくないなら、強くなくてもいい。


弱くてもいいから、その手を離さなければいいんだ。


「…ララ」


突然名前を呼ばれたララは、奇妙な声を上げた。


その声にまた笑いながらも、俺は心に決めた。



「…聞いてほしいんだ。俺の全てを」



―――闇に囚われたままは、もう嫌だ。





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