紺碧の地図
俺より小さい子もいれば、大きい子もいる。
まだみんな体を震わせてはいるが、大分安心しているようだった。
その時だった。
「―――あ、やっぱりか」
見慣れた顔が、俺の目の前に現れた。
「っ!?」
「お前、コウさんの仲間だったんだ?」
あの時の絶望したような表情とは打って変わり、愉しそうな瞳を向けてきたのは…
「…レ、キ?」
「あ、覚えてくれたんだ?」
ケラケラと笑うレキを、俺は不思議に思った。
あんなにも、闇に堕ちてしまいそうなレキを救ったのは…?
「レキ、その子はゼン。俺の息子だよ」
…考えるまでもない。
救ったのはきっと、父さんだ。
「…息子!? マジか…。ま、よろしくな!ゼン」
差し出された右手を、俺は驚いて見つめ返した。
「…は?」
「は?じゃねぇよ!今日から俺も仲間だ」
レキの笑顔をまじまじと見つめた後、振り返る。