紺碧の地図
困ったように笑う父さんが、そこにいた。
「…やめとけって言ったんだけどな。話聞かなくて」
「………」
「俺は決めたんだ!コウさんに一生ついてくって!」
これだから、父さんは甘いんだ。
…けど、そんな父さんに、みんなは惹かれていく。
そして、輝く何かを与えてもらえるんだ。
「…いいんじゃない?よろしく、レキ」
僅かに笑って、差し出されたレキの手を握り返す。
レキは一瞬キョトンとしてから、すぐに満面の笑みを浮かべた。
「俺、お前も好きだわ!」
「…気持ち悪い」
「ぬぁ!? ひっでーゼン!!」
父さんたちの笑い声が、温かく響く。
俺が今いる場所は、優しい場所。
父さんの優しい光によって、護られているんだ。
そしてこの場所は、一生変わらないんだと。
…そう、信じていた。
信じていたんだ―――…